【実践Photoshop】一部分だけカラーの白黒写真を作成する

はじめに

よく見かける表現だけど、白黒写真の一部分がカラーになっていると主題が明確になり、ドラマチックな印象を与えることができると思う。

撮りためた写真をあさっていると、ちょうど良い素材を見つけた。

本日は“手を動かしながら操作を覚える” ことを目的としてPhotoshopに関する記事を書いていく。  

目次

完成した作品

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完成した作品
 

作成手順

前提

  • 本記事は2019/05/26時点のAdobe Photoshop CCで実施した内容。
    (以降のアップデートで画面のレイアウトやメニュー文言が変更される可能性あり。)
  • Adobe Photoshop バージョン : 20.0.4 20190227.r.76 2019/02/27: 1205725 x64
  • OSはWindows10  

素材の準備

美しい真っ赤なバラ。この記事用にJPEGファイルに変換しているが、Photoshopに読み込ませる時点ではカメラで撮影したままの生データ(RAW形式)。

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素材(RAW形式)
 

元画像の微調整

  • RAW形式の写真データをPhotoshopで開くとCamera Raw(Photoshopプラグイン)が自動で起動する。
  • 撮ったままの写真は少し暗いので、明るく調整する(色かぶり補正をやりすぎで緑色が不自然かもしれない)。
  • RAW形式ならカメラの設定を変えて撮り直したように画質の劣化がなく仕上げることができる。
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    元画像(RAW形式)の微調整

 

調整レイヤー(白黒)の新規作成

  • まずは元画像レイヤーの上に1枚白黒のレイヤーを重ねる。
  • 「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」アイコンを押下、コンテキストメニューで「白黒…」を選択する。
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    調整レイヤー(白黒)を新規作成

 

赤い花びら部分の白黒レイヤーを削除する

白黒レイヤーのマスク調整

  • 元画像に重ねた白黒レイヤーの一部を編集するための準備をする。
  • 属性パネルの「マスク」アイコンを押下し表示される項目の「選択とマスク…」ボタンを押下する。
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    白黒レイヤーの属性でマスクを調整

 

選択範囲の削除設定

  • 白黒レイヤーの花びら部分を削除する。削除された部分は1枚下にあるレイヤーの画像が表示される。
  • ここでは「クイック選択ツール」を利用する。ツールの設定ポイントは以下。
    • 画面上部にある「現在の選択範囲から一部削除」アイコン(マイナスマーク)を指定。
    • 属性パネルの「透明部分」を100%に指定。
    • 表示モードはデフォルトで選択されている「オニオンスキン」としている。
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      選択範囲の削除設定

 

削除する範囲の選択(白黒部分をカラーにする)

  • 花びら部分をマウスでクリックした状態でなぞると、その部分がカラーで表示される。
  • 「クイック選択ツール」は写真内の境界をPhotoshopが自動で認識して範囲を選択してくれるのだが、写真によっては選択される範囲が思い通りにならない。
  • ここではいったんざっくりとした範囲で白黒レイヤーの削除範囲を選択する。
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    削除する範囲の選択

 

選択範囲を追加する(カラー部分を白黒にする)

  • 白黒レイヤーの削除(範囲選択)しすぎた部分は、選択範囲を追加することで再び白黒にすることができる。
  • 白黒とカラーの境界線をわかりやすくするために、表示モードを「点線」に変更する。
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    選択範囲の追加設定

 

  • 今度は「ブラシツール」を利用する。ツールの設定ポイントは以下。
    • 画面上部にある「検出領域を拡大」アイコン(プラスマーク)を指定。
    • 「ブラシオプション」で直径など変更し細かい作業がしやすいように変更する。
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      微調整にはブラシツール

 

  • 「検出領域を拡大(プラスマーク)」/「現在の選択範囲から一部削除(マイナスマーク)」、表示の拡大/縮小を駆使してカラー部分が思い通りになるように微調整する。
  • 少々細かい作業だが、あまり神経質にならなくてもそれなりの仕上がりになる。
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    境界は細部まで確認

 

  • 表示モードを「白黒」にすると、グレー色の箇所が確認できる。
  • グレーの箇所は白黒部分とカラー部分が交じり合った中途半端な箇所である。
  • 「白」または「黒」どちらかはっきりするように仕上げが必要。
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    グレー色の箇所は中途半端な白黒になる

 

  • ここまでの手順のように表示モードを使い分けながら微調整していくことで白黒部分とカラー部分の境界をキレイに区切ることができる。
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    白黒はっきり

 

JPEGファイルとして書き出す

  • JPEGファイルを作成する前に、より主題にフォーカスされるような構図にするための切り抜きをしたいと思う。
  • 切り抜きツールを使って任意の範囲を切り抜く。
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    切り抜きツール

 

  • PhotoshopのメニューからWeb用ファイルとして保存する。
    「ファイル > 書き出し > Web用に保存(従来)…」
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    Web用に保存

 

  • Web用に保存ウィンドウで、保存ファイルの詳細を設定する。
    今回は以下の設定とした。
    • プリセットメニューから「JPEG高」を選択する。
    • 「やや高画質」を選択する。
    • 画像サイズの高さを「600px」に指定。
  • 「プレビュー…」ボタンを押下すると、保存後のイメージが任意のブラウザで確認できる。
  • 最後に「保存…」ボタンを押下で完成。
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    保存設定

 

おわりに

手順の最初に写真を明るく調整したが、完成した写真をみると、もう少し暗くても良かったかなぁと思った。

なんとなく完成させることはできたが、そもそもPhotoshopの基本的な機能(レイヤー、マスク)について理解していないことが多いと実感した。

基本的なことについても学んで、記事にしてみるのも良いかもしれない。

 

参考にさせて頂いた記事

1つの写真の中で、カラーと白黒を組み合わせる |

Camera Rawの概要と使い方 |